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〒953-0041 新潟県新潟市西蒲区巻甲2513
末梢性顔面神経麻痺は鍼灸施術で扱う頻度が比較的高く、鍼灸の治療効果が期待できる疾患として認識されています。
「顔面神経麻痺診療ガイドライン」(日本顔面神経学会編、 2023年度版)では、末梢性顔面神明麻痺の回復を早めること、後遺症の軽減において、推奨されております。
当院では、末梢性顔面神経麻痺に対する鍼灸施術を多数実施しております。
当院での施術において、発症後40点柳原法で8点以下の症例が6か月で著明に改善した症例や、発症後3か月経過しても改善傾向が無い症例がほぼ治癒に至る例などを多数経験し、鍼灸施術の、筋緊張を緩和する作用、血流を改善する作用などが麻痺の回復を促す効果があると考えています。
また、患者様より、施術後に表情の改善、瞼などの動きがスムースになるという訴えが多く、治療効果が表情筋の委縮、拘縮の軽減に役立つものと思われ、様々な病期に適応することと考えられます。
鍼灸施術には様々な方法がります。
当院では太さが0.14〜0.16o(髪の毛と同じくらいの太さ)と非常に細い鍼を使用、治療点に5〜10oくらい刺入します。用いる鍼は、すべてディスポーザブル(使い捨て)です。
基本的には、神経の走行、表情筋の状態に応じて刺鍼し、置鍼・加熱(赤外線など)を行います。
また、頸肩腕の状態によって、これらの部位へのアプローチを行うこともあります。
〇低周波治療について
現在当院では顔面に対しての低周波治療は実施していません。顔面神経麻痺の治療において低周波刺激が拘縮や病的共同運動などの後遺症を助長するという報告があるからです。
顔面神経麻痺診療の手引きにおいても、低周波刺激は禁忌とされています。
顔面神経麻痺の鍼灸治療は、様々な病期に適応ですが、当院では、下記の通りの基本方針で取り組んでいます
〇発症1か月以内
原則として病院での治療(投薬による西洋医学)を優先し、状態を確認しながら施術を実施する
〇発症1〜6か月(回復期)
週に1回程度の鍼灸施術を実施
この時期は「意に反して目や口が動く」(病的共同運動)、けいれん、顔のゆがみ、などの症状が発症しやすいので、特に注意して状態を観察します
〇発症6〜12か月(慢性期)
1〜2週に一回程度の鍼灸施術を実施
この時期は、表情筋の筋力低下(萎縮)、筋肉が固くこわばる(拘縮)に注意し、後遺症を予防します
〇発症12か月以上
状態に合わせ、個別に治療間隔等を提案
また、当院では、状態・病期にあわせ、現代医学治療(リハビリテーション、顔面神経減荷術、星状神経節ブロック、ボツリヌス毒素注射、形成外科的処置など)についての情報を提供しています。
顔面神経麻痺の解説 新潟市西蒲区 渡辺鍼灸院