肩こり・首こりについて
肩こりは、鍼灸施術でも取り扱うことがとても多く、日常的な症状です。背中上部から首にかけての違和感、圧迫感、不快感を「肩こり」と言います。近年では、首から後頭部にかけてのそれら症状を「首こり」と表現します。いずれも、身体的、精神的なストレス、自律神経の乱れ、病気の影響などにより、肩・首の血行不良、筋肉の過緊張を原因としておきます。
〇日常生活における誘因
・同じ姿勢の連続(デスクワーク、自動車運転など)
同じ姿勢が連続することによる筋緊張が原因です
・眼精疲労(PC作業など)
PC、スマートフォンの連続使用による目の酷使、ドライアイ、度の合っていないメガネの使用などにより、眼の筋肉を酷使を原因としています
・運動不足、筋力低下
普段、肩・首まわりの筋肉を使っていないことで、筋力が低下している状態だと、筋肉の疲労が起こりやすく、肩・首のこりを発症します。
・寒冷
寒い環境では筋肉が収縮し、これが続くことによって筋緊張が生じます。
・過緊張、自律神経の乱れ
精神的な緊張状態は、気が付かないうちに筋肉を緊張させ、首、肩の凝りの原因となっています。
〇病気を原因とした首、肩のこり
・高血圧、低血圧
生活習慣により血圧が高い状態が続いていると、肩こりを感じることがあります。
また、収縮期血圧(いわゆる、上の血圧)が100mmHg未満の人で、慢性的な疲労を感じておられる人で、常に肩こり、首こりを感じる方が多いです。
・心疾患
狭心症、心筋梗塞などの場合、胸や肩に強い痛みを感じることがあり、とても注意を要する症状です。
このように、肩、首のコリと言っても、病気を原因とすることもありますので、気になる症状がある場合病院を受診することも大事です。
〇日常的な肩こり・首こりの対処
病気を原因としていない肩こり・首こりの場合、
・温め
・運動、ストレッチ
により、筋緊張の緩和、血行を促すのが凝りに対する基本的な対処です。
安易にシップや痛み止めを使用することが見受けられますが、
湿布や塗布などの説明を見ると、
「肩こり、腰痛に効果がある」と書かれている一方、
「1日4回の使用を限度」(塗布薬)
「5〜6日使用しても改善しない場合は使用を中止」
と書かれている事をご存知でしょうか。
塗布薬が効果があるのは、「一時的な肩こり、腰痛」つまり、「普段行わない運動を急激にした後、肩が痛い」といった症状であり、姿勢や病気などに由来する「慢性的な肩こり」に対してはあまり効果が見込めません。
それどころか、連続使用によって筋肉量の減少をもたらし、肩こりなどの症状の悪循環を引き起こす原因となります。肩こりに由来する緊張型頭痛でお悩みの方にとっては、温めるべき肩首を冷やす結果ともなります。
また、喘息の患者様にとっては、使用によって呼吸器症状が増悪することがあります。
市販の塗布薬は、手軽に使える使える一方、薬剤であるという認識が鈍くなり、副作用があるということが見落とされがちです。
肩こりには、臓器の病気などが隠れている可能性もあります。肩こりでお悩みの方は、自己判断をせず専門家にご相談いただくとともに、薬剤の安易な使用に気を付けましょう。
〇鍼灸施術における肩こり・首こり
先述の通り、とてもよくある症状で、来院数も多く、鍼灸施術の得意とする症状です。
原因、日常生活の状況や、体質などを確認し、こりのあるツボだけではなく、場合によってはコリの部位から離れたツボを使用し、全体のバランスを整えます。
当院では、日常生活における注意点などもアドバイスしております。
肩こり、首こりでお困りの方は、気軽にご相談ください。