頭痛について
頭痛は、日常的な症状ですが、様々な病気で出現することがある、注意を要する症状です。ここでは、「偏頭痛」と「緊張性頭痛」について解説いたします。
〇偏頭痛
頭の一部分が痛くなる症状を「偏頭痛」という訴えでご来院される患者様は多くおられます。
偏頭痛は頭の片側(もしくは両側)に脈打つような痛みが起きるのが特徴で、寝込むほどの痛みが発作的に起き、嘔気を伴うこともあります。
頭痛が起きているときは、身体を動かすと増悪、場合によってはほんの少し頭を動かすだけでも激しい痛みを訴える方もおられます。
休息すると半日〜数日で症状が緩和します。また、普段は気にならない音や光にも過敏に反応したり、ストレスのない休日などに症状が悪化する特徴があります。
また、このほかに、偏頭痛の特徴として、発作の前にフラッシュのような光やギザギザした光を感じたり(閃輝暗点)、視野の一部が見えにくくなることがあります。
そして、発作が治まると、何もなかったように痛みが消失します。
〇緊張性頭痛
肩や首の凝りからくる頭痛です。頭痛を訴える方の問診をすすめると、慢性的な頭痛の症状に加え、首・肩・背中のコリを伴っておられる方も多く見受けられ、疲労との関連も強くあります。このコリを解すことによって症状が良くなる頭痛の場合、「緊張型頭痛」であることが考えられます。
緊張型頭痛は、首・肩のコリに連鎖して頭部の筋肉のコリが起こり、血行不良を引き起こることからズキズキする痛みが頭部に起こるものです。緊張型頭痛は、重くなるような感じからズキズキ激しい頭痛まで強さを変えながら、数日にわたって続く場合があります。
緊張型頭痛は、頭痛薬、湿布などの痛み止めが効きにくいことがあります。病院では、筋弛緩薬や安定剤(筋弛緩作用があるもの)などが処方されることがあります。
偏頭痛と緊張型頭痛では、痛みが起きる原因の違いがあり、また、対処も違ってきます。場合によっては混合型や、後頭部の「神経痛」から痛みが起こる場合もあるので、それぞれの対処をしなければなりません。
肩こりや頭痛は、生活の質を落とすばかりでなく、神経・血管・脳・心臓など、身体の重要な臓器の病気が隠れていることがあるので、おかしいと感じたら、一人で悩まずに、医療機関などに相談することをおすすめします。
鍼灸治療においては、筋緊張を取り除き、血流を整えることを中心として、患者様の体質に合わせた処方を行います。頭の症状ですが、場合によっては足のツボなどを使用し、身体全体を整えることを中心として施術いたします。