帯状疱疹ついて
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス（Varicella Zoster Virus；VZV）の感染症で起こる皮膚の病気です。はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると水痘（水疱瘡；みずぼうそう）として発症し、多くは子供の頃に発症し、発熱、痒みのある発疹を引き起こします。
通常は１週間程度で回復しますが、治癒後もウイルスは体内の神経節に潜伏しています。この体内に潜伏したウイルスが、加齢・ストレス・体力低下などでウイルスに対する免疫力が低下することにより、皮膚の神経に沿って、痛みを伴う赤い発疹が多数、帯状に出現します。
赤い発疹に続き、中央部がくぼんだ水疱が出現し、刺すような強い痛みとなります。
顔面に起こる帯状疱疹では、角膜炎、結膜炎、顔面神経麻痺、耳鳴り、難聴の原因となることがあります。 また、腰部、下腹部に起こると、便秘や尿が出にくいという症状となることもあります。
皮膚症状が治癒した後も痛みが残ることがあり、これを帯状疱疹後神経痛（PHN）といいます。
〇帯状疱疹の治療
治療は抗ウイルス薬が中心となり、薬によりウイルス増殖を抑制することで痛みの緩和、合併症や後遺症の軽減を図ります。
〇帯状疱疹の予防
５０歳以上の方は、ワクチンの予防接種を受けることができます。
ワクチンは「生ワクチン」と「不活性ワクチン」の二種類があり、接種する回数や費用などが違うので、ご自身の状況に応じたワクチンを選ぶことが大事です。
予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、発症しても症状が軽く済むという報告もあります。詳細については、医師とご相談ください。
〇免疫を低下させない生活が大事
帯状疱疹は、免疫力の低下によって発症するので、予防には日頃の体調管理が大事です。
睡眠、栄養、運動、休息といった生活習慣により、ストレスをためないように心がけましょう。
〇帯状疱疹と鍼灸治療
鍼灸は、個々の状態に合わせて施術するので、患者様の状態を把握することからはじまります。発症後の赤い発疹が出ている時期には、発疹を取り囲むように刺鍼し、状態によって施灸します。帯状疱疹後の神経痛、また、身体の疲労、免疫の低下に対して、自然治癒力を高めることを目的に、局所以外にも刺鍼して、身体全体の血行を促進、緊張の緩和を図り、高ぶった神経を落ち着かせることを目的とします。